水嶋かずあきの甘辛問答

神奈川県平塚から、水嶋かずあきが語ります。
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公然わいせつ罪

様々な法律の中で、とかくその解釈において、有罪無罪の意見が分かれるものがありますが、
公然わいせつ罪もその一つだと思うのです。
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判例の中で、よく使われるのが、劣情を催すとか、羞恥心を起こすとか、の言葉を記憶していますが、
それは人それぞれでしょ。
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以前、青年会議所の研修船で、こんなことがありました。
その時の講師として永六輔さんが乗船していたのです。
で、研修船は、全国から集まった青年たち400〜500人が乗っていて、
10日前後、外洋を航海し、その期間、船中で様々な研修を行う、と言うものです。
わたしも講師として呼ばれて乗船していました。
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研修船と言うのは全国から集まった初めて会う男女が乗り合わせるのですが、
事故があっては命にかかわるので、それなりの厳しいルールがあって、
一般の参加者には、時にそのルールがストレスになります。
ほぼ決まって、二日目か三日目あたりに、このストレスが参加者内に蔓延し、
時に不穏な空気になることがあるのですね。
何しろ、閉じ込められた空間ですから、

人間関係を作り出すのが不得手な人にとって見れば、

体調を崩さんばかりの肉体的な影響もあるのです
で、その時も、3日目あたりに、運営側に感じられるほど、空気が悪化してきたのです。
青年会議所のメンバーはどうしたらいいか、と永さんに相談したんですね。
すると永さんは、わかった、任せなさい、と、その日の夕食後の自由時間を使って、
後部甲板に、みんな集合するようと指示、それを船内放送で伝えたのです。
時間になると三々五々参加者が集まってきました。
永さんは例によって気さくな語り口でマイクを通して、皆に話し始めます。
と、突然と、北海道から来た人、と問いかけます。
何人かが手を挙げました。
じゃあその人、と指さし、そうあなたを代表にしましょう、と近くにいた男のメンバーに声をかけます。
北海道では、女性器のことをなんと言いますか、とびっくりするような質問をしたのです。
ちょっと答えにくいでしょ。
男の人が口ごもっていると、
大丈夫、あなた以外の人は、その言葉については何とも思っていないのですから、と。
確かにそうですね。

私のかみさんは九州の佐世保出身。
あっちではボボと言うのだそうです。
ですから、ある時期プロレスで、ボボ・ブラジルが試合に出てきて、
乱戦となる。
アナウンサーは絶叫しながら、ボボ、劣勢です、とか中継するわけです。
そのうち凶器か何かで額を割られる。
鮮血が顔に流れる。
するとアナウンサーはさらに興奮して、「ボボ、血だらけ」と。
するとテレビを見ていた親父さんは、娘(うちのかみさん)にむかって、

テレビ消せ、とぶっきらぼうに言ったとか。
まあそんなもんでしょ。
逆に彼女は、関東のお×××、と言う言葉に羞恥心がない。
たまに日常の中でその言葉が出ることがあるんですが、
私は恥ずかしく聞きますが、かみさんは何てことなく口にするんですね。
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で、その北海道の男は、促されて、小さな言葉で、女性器の方言を口にしたのです。
すると、永さんは、500人の若者に向かって、じゃあみんなでその言葉を叫びましょう。
大丈夫、ここは太平世のど真ん中、誰も聞いちゃあいませんから、とか言って音頭を取ります。
せーので、500人は一斉に北海道の女性器の方言を叫びます。
では次は津軽海峡を渡って青森に行きましょう。
と言う具合に、順に南に向かい、九州沖縄まで、それぞれの方言をみんなで絶叫したのです。
当然長崎辺りではボボですね。

ま、結果としては、これを機に和やかな空気に変わりました。
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この時、羞恥心と言うのは、その背景によって違うことがあるんだ、と言うことを改めて認識しました。
ある写真を見て、劣情を催すかどうかは、個人差が大きい。
芸術作品だとか言って、つくりあげたものが、多くの人に劣情を催させたら、
これは芸術とは呼ばれないんですね。
裁判官がこれは劣情を催す、と判断したら、

それは貴方がですか、それともほかの人が劣情を催すと考えたんですか、となるでしょ。
したがって、公然わいせつ罪と言うのは、しばしば、判断が割れるんですね。
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でもまあ、歴然とその罪に問われるということはあります。
たとえば、よく、暗い路地で男が、もろ出しにして、女性に見せつける、と言うことをして、
公然わいせつ罪に問われる、と言うことがありますよね。
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以前、友人たち20人ぐらいで近場の温泉に出向き、忘年会かなんかを開催したことがあったのです。
地元の芸者衆も何人か呼ばれていて、それなりに盛り上がっていたんですね。
すると酔った仲間が、まあそういう癖があるんでしょうが、浴衣を脱ぎ捨て、
素っ裸で、歩き回り、宴席に向いている人の背後から、

ひょろっとものを差し出して笑いを取る、なんてことをし始めたんですね。
で、ある年増の芸者さんのところにやってきて、同じようなことをしたら、
その人、一瞥すると、顔色一つ変えず、さっさとしまいなさい、と一言。
その冷静さに驚いたことがあります。
たしかに、暗めの路地でそんなことされたのとは違いますが、これとて個人差があるわけでしょ。
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実はここまでが前置きなんです、長くてすみません。
いま、街中を歩くと、100%マスクでしょ。
近所の買い物だからと、うっかりマスクを忘れた時は、取りに帰りますもんね。
そのぐらい、「常識」になりつつあります。
極端な話、パンツ履かないで、ポロンと出して街中を歩いたら、これは大騒動でしょ。
即座に逮捕ですよね。
これは法律もそうですが、社会通念と言うものもあるわけで、
現状では、コロナ何とかしようと国民的協調ものと対応している最中ですから、
まだ法律には定められていませんけど、マスクなしは、相当に非難されてもしかたないでしょ。
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飛行機にマスクをしないがために降ろされた人がいましたが、
まして、あの密閉した空間では、当然のことです。
何やらテレビカメラの前で、飛行機会社の対応を非難していましたが、
盗人猛々しいという印象ですね。
確かに法的な規制はないかもしれない。
でも人間社会の円滑な営みは、時に、法的な根拠など関係ない。
今大事なことは何か、と考え、法を超えてでも、やるべきことはやるべきでしょ。
マスクをしないのは、パンツを履かないで歩くのといっしょだ、

ぐらいの考えでも間違いじゃないでしょ。

 

| 水嶋かずあき | あれこれ | 09:26 | comments(0) | - | - | - |









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